AmazonのタブレットFire HD 8(2020)の詳細レビュー

先日購入した初のAmazonデバイスFire HD 8をじっくりと使い込みだしています。おかげであちこちこの端末の使い勝手の感触が段々とつかめてきました。

元々著者は8型クラスの画面をもつタブレットのサイズ感が好きで、この画面サイズや本体のボリューム感がタブレット端末としては最適解なのじゃないかと思っています。この端末はまさにそれにピッタリはまるスペックだったわけですね。

少なくともここまではその「フィット感」というような使いやすさを実感しています。

そののような8型タブレットならではの使いやすさなども含め、以下で実際の使用感を詳細にまとめていきます。

AmazonタブレットFireHD8 スペック

まずは一通りカタログスペックをまとめておきます。

タブレットの心臓部となるチップのSoCは最大動作クロックが2GHz駆動の4コアCPU部を持つチップを搭載しています。このタイプのガジェットに良くあるとおりArmアーキテクチャを採用したCPUですね。

メインメモリは2GB。内蔵ストレージは32GBと64GBが選択可能ですが、今回は32GBモデルをチョイスしました。足りなくなったらマイクロSDXCカードで手軽に拡張可能ですしね。

本体サイズは202mm x 137mm x 9.7mm、重さの方は355gとなっています。

ネットワーク接続はWi-Fi 5の1ストリーム、最大通信速度が433Mbps対応のものを搭載しています。

充電や外部インタフェースのコネクタはUSB Type-C形状のUSB2.0対応コネクタを採用しています。

スペックシート上の最大バッテリー駆動時間は12時間となります。

カメラはインカメラ、リアカメラとも2Mピクセルセンサーで、本格的な写真用と言うよりもメモ用と考えた方が良さそう。

お手頃価格なのに1A出力とは言えACアダプタ・充電器が付属するのがこの製品のなにげにすごいところではないでしょうか。

AmazonタブレットFireHD8外観

さて次に実機の外観です。

横幅は一般的な成人男性の手のサイズと思われる著者が片手でこう、下の写真のような感じで掴めるサイズ感です。

重量の方も片手でそれなりの時間使い続けてもほとんど疲れを感じない軽さを実現できていると思います。半ばとはいえ300g台っていうのは大きいと思います。

この辺りのハンドリングの良さがこのサイズの端末を推す理由の大きなもののひとつです。

厚みの方は最近のタブレット端末としてはやや厚めと言える9.7mmですが、使っていて気になることはほぼありません。

それなりの幅(おおむね1cm)の額縁が上下左右にある分、本体のフットプリントが大きくなってしまっていますが、これはタブレット端末である以上仕方がないところですね。

上の写真のように片手で端末を「つかむ」ことが出来ない場合には画面の縁を「つまむ」ようにホールドするしかありませんから、画面の周囲にタッチセンサーがない「不感帯」がないといけません。

誰でも片手でつかめる「細さ」が簡単に実現できるスマホとは異なる部分ですね。

実重量を計測してみると、カタログデータよりも軽い350gほどでした。

各種ボタン、USBコネクタ、イヤフォンジャックは縦画面で使う際の本体上面にまとまっています。

マイクロSDカードスロットは側面の上側に。

スピーカーのパンチングホールも側面に。動画を見る時など横画面で使うケースでは、スピーカーは画面上側に位置することになると思います。インカメラの上辺ですね。

筐体裏側はプラスチック。サンドブラストのような仕上げになっているので指紋は目立ちにくいのですが、滑り止め効果はあんまりありません。

そして背面にはAmazonの例の口角の上がった口のアイコンが。

ぶっちゃけてしまうと高級感がある外観ではないのですが、手頃なお値段相応で悪くはないと思います。逆に気楽に使える雰囲気を出してくれている気がしますね。

AmazonタブレットFireHD8 ハードウェア詳細

パソコンでCPUなどの詳細情報を確認するためのアプリに「CPU-Z」というタイトルがリリースされていますが、AndroidOSにもこれと同系統のアプリがありました。これを使ってFire HD 8のSoCの情報をチェックしてみました。

その結果がこちら。

CPUはCortex-A53、画像描画を司るGPUにはMali-G52を搭載していることが分ります。

現時点でのエントリークラスのArm系SoCのオリジナル設計のもののようです。スマホでよく使われるクアルコムのSnapdragon系ではなく、Amazonのカスタム品かもしれません。

Cortex-A53のCPUコアは少し前のハイエンドスマホ用SoCの「LITTLEコア」、あまり性能は高くありませんが電力効率に優れたCPUコアを抜き出したようなものです。ですのでFire HD 8の絶対性能は高くありません。

そこはユーザーが理解して使う必要がある端末ですね。

AmazonタブレットFireHD8 使い勝手

さて、では具体的な使い勝手の方を詳細にまとめていきます。

タブレット全般

まずは全般的な使いごこちから。

上でも軽く触れましたが8型画面を搭載するコンパクトな本体が使用感にすごく効いています。重量も軽いのですごく手軽にどこででも使えます。

それでいてスマホよりも確実に何回りか大きな画面による情報量の多さが魅力です。

電子書籍リーダーとしては6型画面級のスマホでもやっぱり実面積が不足で、普通のコマ割サイズのコミックでもキチンと判別しきれない文字が出てきます。そこを読むには電子書籍リーダーアプリの部分拡大の機能を併用をしないといけなくて、読む際にはちょっぴりストレスです。

ですが、8型画面だとそういった部分などの表示に余裕が出てきます。

Fire HD 8は処理性能的にはエントリー級のものしか持っていませんが、最新のポリゴンを多用するゲーム以外、一般的なタブレットの使い途ならば全く問題のない性能があります。

性能の方が控えめな分、バッテリーの持ちは抜群です。Web巡回や電子書籍を読む使い方であればカタログスペックのバッテリー継続時間に近い数字を出せそうな感触です。

気軽に片手で長時間使い続けられてスマホより数ランク高い表示情報量、それにバッテリーで長時間使い続けられる、そのあたりのバランス感覚が8型クラスタブレットの最大の強みだと思います。

ハンドリング

8型タブレットの大きなメリットは何度も触れる形にはなりますが、そのハンドリングの良さにあります。

片手で楽々それなりの時間続けて使い続けられるサイズ感と重量の軽さが、使いやすさを実現する上で大きな役割を果たしています。

より大きな画面を持つ、例えば10型級タブレットならば、コミックを見開き表示状態でキチンと読むことができます。表示情報量としてみれば8型タブレットより1ランク2ランク上になりますね。

ですが、やっぱり10型クラスなると大きく重いのです。著者の場合には10型クラスのタブレットを使う際には両手持ちが基本になります。ちょっとしたものかもしれませんが、ここの使用感の違いから普段は8型タブレットの方を選びたくなります。

ブラウザ

Webブラウザを使ってネットの情報を集める用途では、8型画面は割とギリギリのところと言えるかもしれません。スマホよりは数段楽で効率も良いですが、パソコンの感覚での利用はやはり無理です。

Webサイト側もスマホでの使い勝手をしっかり意識して作り込んでくれていればかなり良好な使い勝手が得られます。

ですがPCサイトをそのまま表示するにはやはり画面の物理サイズが足りません。そこは一応意識しておかないとダメですね。

使用するときの感覚としては小さなパソコンではなく、画面が大きなスマホ、という意識の方が良いと思います。

電子書籍

個人的には8型画面のサイズ感が最も有利に働くのは電子書籍リーダーとして利用するときだと思います。気軽に片手でハンドリングできるボリュームと使いやすい画面サイズのバランスがいいですね。

8型画面のサイズ感はこれぐらいの感じになります。

B6サイズコミックと文庫本の間ぐらい。新書版ぐらいのサイズでしょうか。

小説など文字系の電子書籍は1画面内に表示される文字数が多すぎると読みにくくなってしまいます。主に心理的な問題だとは思いますが。

実際Webページなども1ページ内に多すぎる行数、多すぎる1行あたりの文字数を詰め込むとすごく読みにくいですよね。

使う電子書籍リーダーアプリにも依存すると思いますが、8型画面でちょうど見やすい文字サイズに設定すると感覚的には新書版の小説1ページ分ぐらいの情報量になる感じです。

行間のサイズ調整も必須ですが、かなり読みやすい設定を割と簡単に見つけられます。

コミックでも小説でも見開き表示には無理がありますが、1ページ単位での表示ならどちらの本にもバランス良く対応できる画面サイズになっています。

お買い物等

Fireタブレットと言うかAmazonデバイスのホーム画面アプリはAmazonのサービスに上手に最適化してあります。

中央のページこそAndroidなどのタッチ操作OS系共通のイメージなっていますが、左右にスワイプした画面はAmazonの各種コンテンツにすぐにアクセスできるデザインになっています。

Kindle本ならアプリからのアクセスだけではなく、ホーム画面からいきなり書籍を選択出来るのが気楽&分りやすくていいですね。

恐らくAmazon Primeの契約を行なっていたらライブラリのところにプライム会員が利用可能な動画(プライムビデオ)、音楽(プライムミュージック)、書籍・雑誌(プライムリーディング)のコンテンツが表示されるのでしょう。

起動するアプリを意識することなく、コンテンツから入っていけるのが便利ですね。その延長での有償コンテンツ、アプリなどの購入操作がすごく楽ちんです。

それ以外のAmazonでのショッピングはショッピングアプリかブラウザ経由で行なう形になります。先日あったOSのアップデートでホーム画面が変更になり、ホーム画面からショッピングサイトへの直接のリンクはなくなったようです。

アプリやコンテンツ以外のおすすめ商品表示も悪くなかったと思うのですけれどね。タイムセール祭やブラックフライデーなどの売り出し情報を表示してくれるのはうれしい気もするのですけれど。

残念ながら現状こちらの機能はなさそうです。実は設定が存在してそれに気づいていないだけかもしれませんが。

購入履歴から興味がありそうな商品をリコメンドしてくれるのは、こういったショッピングサイトならではの機能だと思います。が、その表示をうるさく感じるユーザーもいるでしょうから、機能をユーザーが選択出来る形だとうれしいですね。

一応ベンチマーク

ハードウェアの詳細スペックから分るとおりFire HD 8はエントリークラスの製品です。一般的な用途には十分な性能がありますが、最新の3Dバリバリのスマホゲームを遊ぶようなパワーはありません。

ですので本格的なベンチマークを回す意味は薄いと言えば薄いのですが、一応、絶対性能も見てみたくてベンチマークテストを実行してみました。

まずはパソコンでも有名な3Dの描画性能を見るテスト、3DMarkのスマホ版を実行してみました。

Fire HD 8の結果がこちら。

比較用として実行してみたXperia 1の結果がこちらになります。

スコアの差に正直かなり驚きますね。実際のところはFire HD 8の性能はエントリークラスのスマホ、タブレットとしては妥当なもので、Xperia 1の数字が高いだけではあるのですが。

ベンチマークテスト実行中の画面の様子を見る限り、3DMarkレベルの3Dグラフィックの表示はFire HD 8では全く現実的ではありません。最新のポリゴンを多用した美しい画面のゲームはかなり厳しいと言わざるを得ませんね。

ただ、3次元ではなく一般的な2次元で多少動きがある程度のゲームタイトルならば概ね問題ない表示が出来る程度の性能はあります。スマホアプリ版の「艦隊これくしょん」はアニメーション表示でややカクつくものの十分にゲームになる描画が行えています。

もっとFire HD 8の使い途にマッチするベンチマークで、ブラウザのHTML5の処理性能(より具体的にはJavaScript)を測るテストに「Octane 2.0」と言うものがあります。こちらも追加で実行してみました。

Fire HD 8標準のSilkブラウザで実行した結果がこちらです。

スコア的にはこちらも最低限に近く、高度なJavaScriptの処理を行なうWebサイト・Webサービスではやや重さを感じるシーンもあるかもしれません。

ちなみにXperia 1のChromeでOctane 2.0を実行するとこんな数字を叩き出します。

Arm系のちょっと前のCPUコアのアーキテクチャであるCortex-A53と、ほぼ最新のArm系CPUコアであるSnapdragon 855搭載CPUの性能差がそれだけあると言うことですね。

ただ普段使いにはFire HD 8でも性能面で不足は感じません。むしろ一般的な用途ではXperia 1のCPU性能が過剰と言った方が正しいでしょう。

スマホ一つで動画編集まで行なうようなユーザーにはハイエンドスマホの性能が必要になるでしょうが、そういった使い方をしない人にはスマホ上位機種はほぼ過剰な性能と言える状況になっているのです。

そういった部分ではこのジャンルもパソコンに近づいて来ていると言えそうです。

カメラの画質

カメラの画質の方は搭載されているセンサーが2Mピクセル級と控えめなものであることからも想像が出来ると思いますが、正直本格的な写真撮影とか作品作りを行なうような性能があるカメラではありません。

どちらかと言えば、この機種のカメラは通常は「メモ用」と割り切って使う方がいいと思います。

リアカメラの画質は日中の明るさが十分な条件でもこのレベル。

かつての携帯カメラライクな画質ですね。

むしろ「トイカメラ」と考えて「画質の悪さを楽しむ」、どこか「ノスタルジックな雰囲気を味わう」ぐらいのスタンスがいいのかもしれません。

記事まとめ

Fire HD 8をここまで使ってみた感触は想像通りの使い勝手で大満足、といったところでしょうか。

やっぱり8型画面のコンパクトで軽い本体が、すごく使いたくなる気持ちを後押ししてくれている感じですね。家の中でもひょいっとかかえて、ではなくつまむように気軽に取り上げてどの部屋にも持っていく気にさせてくれます。

著者は最初から電子書籍リーダーとしての使い勝手を重視していたこともありますが、気軽に持ち運べることと画面サイズから来る表示情報量のちょうど良さが見事に融合した端末だと感じています。

動画を見るときには大人数で見るには小さすぎる画面サイズですが、一人で占有するなら案外迫力ある見え方になります。使う距離が近いですからね。

使い勝手は十分以上で、これが1万円で買えると言うのはすごい魅力的だと思います。

少なくとも著者にはピッタリマッチする良いガジェットが手に入りました。