外界の騒音を検知して打ち消すイヤホンから流す、アクティブノイズキャンセリング機能付きAmazon Echo Buds(エコーバッズ)。
完全ワイヤレスでNC機能を搭載したイヤフォンの中ではトップクラスの低価格を実現した製品であることも大きな特徴になります。
今回は、Amazon本気のTWSイヤフォンEcho Buds(第2世代)をじっくり解説していきます。
Amazon Echo Buds(エコーバッズ)の性能を他社の「AirPods Pro」「Anker Spundcore Library Air 2 Pro」とも比較しているので参考にしてみて下さい。
Amazon Echo Buds(エコーバッズ)は完全ワイヤレスイヤフォン
つい先日Amazonが第二世代機を市場に投入したEcho Buds。
「Echo」とのネーミングと開発と販売をAmazonが行なっていることから、どこか情報端末の機能を備えた機種のようなイメージがくっついているかもしれません。
ですがこれ、ほぼ純粋な「完全ワイヤレスイヤフォン」あるいは「TWS(True Wireless Stereo)」と呼ばれる「オーディオ機器」です。
よりくだけた表現でまとめるなら「Bluetoothイヤフォン」または音楽再生目的の「Bluetoothヘッドセット」と呼ぶのが正しいと思います。
一応Alexa連携が可能で、リンクしたスマートフォンなどをポケットに入れたままイヤフォン側の操作でAlexaを起動。そのままAIアシスタントの機能を利用可能になっています。
ですが、この辺りの機能はEcho Budsだけでなく、各社の完全ワイヤレスイヤフォンの「標準」機能になりつつあります。
「完全ワイヤレス」ですので、左右のイヤーピースを繋ぐケーブルがありません。よって、取り回しが非常に楽なBluetoothイヤフォンとして様々なシーンで便利に活用できる製品です。
また、Echo Budsは「アクティブノイズキャンセリング機能(NCまたはANC)」を搭載するところも大きな特徴になります。外界の騒音を検知してそれを打ち消す音をイヤフォンから流すことで、騒音の影響を大幅に減らすことが出来るイヤフォンになっています。
第二世代のEcho Budsは、完全ワイヤレスでNC機能を搭載したイヤフォンの中ではトップクラスの低価格を実現した製品であることも大きな特徴になります。
Amazon Echo Buds(エコーバッズ) TWS!完全ワイヤレスイヤフォンって?
完全ワイヤレスイヤフォンはその名の通り使用時にはどこにもケーブルが存在しない、ハンドリングがとても便利なBluetoothイヤフォンです。スマホ本体との間だけでなく左右のイヤーピースの間にもケーブルがありません。
このタイプのイヤフォンはAppleのAirPodsが世に出たことで認知度がアップ。その便利さも伝わることになって人気が爆発しました。一時期、スマートフォンからアナログのイヤフォンジャックが消えそうな流れもありましたので、そのあたりとの兼ね合いもあって市場での存在感がとても大きくなったジャンルの製品です。
メリットはとにかく邪魔なケーブルに使う際のあれやこれやが邪魔されないこと。ここは何物にも代えがたい大きなメリットです。
その代わりデメリットはいくつか生まれています。
まず連続使用時間。利用中の電力源、バッテリーも左右それぞれのイヤーピースの中に押し込まないといけませんので、左右のイヤーピースをケーブルで結ぶタイプのBluetoothイヤフォンより連続使用時間は短めです。
次に価格。もともとBluetoothイヤフォンは同じ音質レベルの有線イヤフォンよりも高額ですが、完全ワイヤレスイヤフォンはさらに上のプライスタグになりがちです。
最後に音質。サイズが限られるイヤーピースの中にすべての電子・電気回路、オーディオパーツを詰め込まないといけませんので、オーディオ的観点ではすごく大きなハンデを抱えています。
項目としてはメリットよりデメリットの方が多いのですがメーカーの努力でデメリットは段々と薄れていっていますし、それより何より圧倒的な利用時の自由度、便利さが完全ワイヤレスイヤフォンの普及を後押ししています。
Amazon Echo Buds(エコーバッズ)スペックを確認
この節では第二世代のEcho Budsのイヤフォンとしてのスペックを確認していきます。
ドライバー:ダイナミック型 5.7mm径振動板
耐水性能:IPX4クラス
音楽再生時間:本体のみ最大5時間、バッテリーケース併用で最大19.5時間
通話時間:本体のみ最大4時間、バッテリーケース併用で最大12時間
ANC機能:外音取り込み機能あり
対応コーデック:未公開
質量:5.7g
主なスペックをまとめると上記のようになります。
ダイナミック型ドライバーと言われるタイプは、通常のスピーカーをそのまま小型化したものと考えていただければ良いでしょう。永久磁石と電流を流すコイルで振動の動作を作り出し、丸い振動板を動かすことで音を出します。
Echo Budsはカナル型(耳栓型)のイヤフォンとしても直径が小さな方になる、5.7mmの振動板を採用したドライバーを使用しています。重低音の再生はやや苦手とする傾向がありますが、振動板が小さく軽い分、音のレスポンスは上げやすいタイプです。
Bluetoothで使えるコーデックが公開されていませんが、最近のBluetoothイヤフォンは標準のSBCコーデックでも十分に良い音が出ますのでこの点はあまり気にしなくても良いでしょう。
通話用のマイクは指向性を上手く調整して通話時の音の拾い具合を良くしたものが使われています。
音楽再生時間がアクティブノイズキャンセリングとAlexa待ち受けがONの状態で最大5時間となっていますが、最近の完全ワイヤレスイヤフォンとしてはやや短めの時間です。
耳へのフィッティングを調整するパーツがたくさん付いてくるのはEcho Budsの嬉しいポイントになるかもしれません。カナル型イヤフォンは耳穴へのフィット具合次第で音質が大幅に変わりますから。
Amazon Echo Buds(エコーバッズ)の主要スペックを他メジャーTWSイヤフォンと比較
Amazon Echo Budsのスペックを他社の製品と比較してみます。
Echo Buds | AirPods Pro | Anker Spundcore Library Air 2 Pro | |
---|---|---|---|
ドライバー | 5.7mmダイナミック型 | ダイナミック型 | 11mmダイナミック型 |
音楽再生時間 | 5時間/19.5時間 | 4.5時間/24時間 | 7時間/26時間 |
重量 | 5.7g | 5.4g | 5g |
耐水性能 | IPX4 | あり | IPX4 | コーデック | 未発表 | AAC | SBC,AAC,LDAC | 価格 | 12,980円 | 27,800円 | 12,980円 |
Echo Budsは高コスパなガジェットをたくさん販売しているAnker製品に並ぶ高コスパを実現しています。
Amazon Echo Buds(エコーバッズ)で出来ること
Echo Budsは基本的にはノイズキャンセリング機能つきの完全ワイヤレスイヤフォンです。「Alexaが使える」ことが比較的大きくうたわれる形になっていますが、実際にAlexaが機能しているのはEcho Budsとリンクさせたスマートフォンなどの方です。
この部分はキチッと切り分けて理解しておいた方が良いと思います。
ですがそんな中でもEcho Budsにしか出来ないこともいくつか存在しています。
Alexa連携
設定したウェイクワードを使ってのボイスコマンドでAlexa呼び出し、Alexaのスキルを使った様々な操作を行なうことが出来ます。
最近の多くの完全ワイヤレスイヤフォンは同等の機能を備えていて、Echo Budsと同じようにAlexaやGoogle、AppleのAIアシスタントを起動することが出来ます。
Echo Budsのこのポイントに関するメリットは、スマートフォンとEcho Budsのペアリング設定をスマホ側のAlexaアプリから一発で行える所です。また、イヤフォンの音質調整などもすべてAlexaアプリに集約されていて、使い勝手が良くなっているのも特徴の一つです。
フィッティングアシスト
Echo Budsのようなカナル型(耳栓型)と言われるタイプのイヤフォンは、イヤフォン本体に加え耳穴に差し込むイヤーチップ部分のフィット感が音質に非常に大きな影響を与えます。
しっかり耳にフィットしていないと、特に低音の聞え具合が大幅に悪化するケースが増えます。
また、ケーブルのない完全ワイヤレスイヤフォンでは、耳へのフィットが悪いとイヤーピースの落下からの紛失に繋がるリスクが大幅に上がります。
Echo BudsではAlexaアプリとの連携により耳へのフィット状態を効率よく追い込むことが出来る機能を搭載しています。音楽や映像コンテンツを視聴する際の音質確保にも役立ちますし、イヤーピースを落としてしまうリスクも軽減できます。
Amazon Echo Buds(エコーバッズ)第一世代から第二世代で何が変わった?
Amazon Echo Buds(エコーバッズ)第一世代から何がバージョンアップしたのか気になりますよね。
改善点
ノイズキャンセリング機能の効果のアップ
Echo Buds(エコーバッズ)の本体が小型化・軽量化
Alexaアプリでのフィッティングアシスト機能
ワイヤレス充電対応のケースの設定(可能性)
Echo Budsのセットアップとレビュー!
Echo BudsのペアリングはAlexaアプリで!
Echo Budsは「完全ワイヤレスイヤフォン」と言われるタイプのBluetoothイヤフォンです。Bluetooth製品を一度でも使ったことがある方なら分ると思いますが、最初に「ペアリング」という手続きを行なって、イヤフォンとスマホやパソコンとの接続設定を行います。
Echo Budsではこの操作をAlexaアプリから簡単に実行できるようになっています。
その手順を以下にまとめていきます。
※Androidスマホでの例です。
まずAlexaアプリを起動して[デバイスの設定を開く」をタップします。
「すべてのデバイス」画面で右肩にある「+」アイコンのボタンをタップ。
「セットアップ」画面になりますのでデバイスの種類の中から「ヘッドホン」をタップ。
すると「位置情報へのアクセスの許可」の設定を行うよう求められますので「次へ」をタップして設定を継続。表示されるサブウィンドウから「許可」をタップしましょう。
次に接続するイヤフォン・ヘッドフォンで検出できたものが表示されますので、接続するデバイス、この場合には「Echo Buds 01PV」をタップしましょう。
次にAlexaの有効化を行なう画面が出ますので、「有効にする」をタップ。
Alexaアプリの方はデバイスの接続待ちの画面になり、Android側でBluetoothデバイスとのペアリング要求が出てきますので、
「ペア設定」を行なってやります。
ここまででBluetoothイヤフォンとしてEcho Budsが認識されるようになります。
このあと、耳へのフィット具合の調整をサポートする機能が動きます。
この部分はスキップしても大丈夫ですが、Echo Budsの音質は耳穴へのフィット感に結構シビアですので、少し追い込んでおく方がいいかもしれません。
Echo Budsのミニレビュー
ペアリングを行なったEcho Budsは接続したデバイスの「ヘッドセット」としても利用できます。ビデオ会議などでも便利に活用できますが、ここではまずは音楽用イヤフォンとしての素性を簡単に確認しておきましょう。
音質
まずは音質から。
基本的にとても素直でバランスの良い音が出るイヤフォンです。高い音側、低音側のどこかが盛り上がっている癖があまり感じられない「フラット」な周波数特性に感じられます。
低音側を盛り上げていないので一聴して下側が出ていないような気になるかもしれませんが、結構低いところまでしっかりと再生帯域は伸びています。
ボーカルの入った曲の再生では人間の声が前に押し出されてくるような感じの再生バランスになって、歌は聴きやすいイヤフォンですね。
低音側はわずかに音の像も時間軸方向のレスポンスにも「膨らみ」を感じる部分がありますが、無駄にボワボワと音がボケることはなく聴きやすい音が出てくる感じです。「高精細すぎず」にBGM的に気楽に聴ける音質です。
あまり良い音過ぎると、機材側からしっかり聞くことを強いられるようなプレッシャー的なものを感じて疲れちゃうこともありますからね。普段使いにはこれぐらいが適当なバランスだと思います。
音の広がる空間はカナル型イヤフォンとしてはごく普通。両耳の範囲は超えないぐらいの空間が頭蓋骨の中に広がるようなイメージです。
大きなボリュームの音がたくさんいっぺんに出るようなところではほんのわずかにそれぞれの音の輪郭が荒れる聞え方をしますが、そこまで気になるものでもありません。どうしても圧縮音源状態になるBluetoothイヤフォンの泣き所の一つですね。
アクティブノイズキャンセリングの効き具合
アクティブノイズキャンセリングは結構効きます。ただ、完全に外界の音をシャットアウトできるわけではありません。また、人間の声の音域だけ選択的に通すような処理もしていないようで、ほとんどの外音のボリュームが一様に落ちる形です。
かつての製品でANCをONにしたときに感じた耳への不快な圧と言いますか「圧迫感はなく」、使用感はなかなかに快適です。
音楽が流れていないときのバックグラウンドノイズはある程度出ます。ホワイトノイズやピンクノイズのような「シャー」っという一定の音ではなく、空調の効いた部屋のわずかな雑音とか細かい雨がたくさん降っているときに天井を通して抜けてくる音、みたいな音質ですね。
著者は逆にこれがあると集中力増すかもしれません。ただ、音楽や映像コンテンツ再生には悪い影響が出かねないのは間違いないところです。
装着感と使い勝手
本体サイズが小さく軽いので装着感は非常に良いです。目立ちにくい外観です。
装着感はいいのですが、付けた状態の善し悪しが再生音に与える影響は結構シビアなイヤフォンかもしれません。著者の場合、横になって音楽を聴いたりすると明らかに低音の出具合が悪くなるのです。
首の角度などの関係でわずかに耳穴の形が歪むようで、イヤーチップが耳道にフィットしなくなるようなのです。
Echo Budsも含めたカナル型(耳栓型)のイヤフォンは、先端部分がしっかりと耳の穴の奥まで入るかどうかで再生音質が大きく影響を受けます。しっかりとはまらないと特に低音の出が大幅に悪くなる傾向があります。
場合によってはサードパーティ製の評判のよいイヤーチップを使うのもありかもしれません。
記事まとめ
第二世代のEcho Budsは、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載した完全ワイヤレスイヤフォンとしてはかなりお手頃な価格を実現した製品です。オーディオ製品も手がけるメーカーが製造・販売する製品と比べると大幅に安い価格が実現されています。
ノイズキャンセリング機能は電車の中などの騒音レベルが高い環境でも、必要以上にボリュームを上げることなく快適に音楽を聴けるとても有用な機能です。耳に負担をかけません。
通勤のお供に音楽を流しているユーザーには検討に値する選択肢の一つになってくれるでしょう。