「次の」と考えているうちにFire HD 10の新世代モデルが2021年5月26日に登場しました。
とても順当な「正常進化」をした製品です。この記事としては時期的になんとも言えないタイミングでの新製品投入となりましたが、Fireタブレットの新製品投入周期がこれまで通りであることも改めて実証されるカタチとなりました。
Amazonのタブレット端末Fireシリーズには画面のサイズ違いで3ラインの製品がありますが、それぞれの機種にほぼ同じサイクルで新製品が投入されています。
今回はFireタブレットシリーズの発売時期などの詳細な情報をまとめていきます。
Fireタブレットの発売周期
Amazonのタブレット端末Fire 7、Fire HD 8、Fire HD 10の3ラインは少しタイミングをずらして新製品が投入されていますが、それぞれのラインでの新製品投入サイクルはどれもほぼ一緒です。
概ね基本「2年周期」で新世代の機種が市場投入されます。ここしばらくはどの製品ラインもこの周期を守って製品の更新が行なわれ続けています。
つい先日新世代モデルが発売になった「Fire HD 10」と「Fire HD 10 Plus」もしっかりこの周期を守っています。前世代モデルは2019年に市場投入されたものですからしっかり2年ぶりのアップデートです。
また、昨年現行機種が発売されたFire HD 8シリーズの新機種は恐らく来年、2022年の登場となるでしょう。またFire HD 10と同じ年次に更新が行なわれているFire 7の新機種が2022年6月頃に登場する可能性も高そうです。
Fireタブの遍歴
少し時間を遡ってFireタブレットシリーズそれぞれの発売タイミングと中身の遍歴を確認してみましょう。
Fireシリーズの世代番号の管理はちょっと変わっています。Fire 7、Fire HD 10が同じ年次に更新が行なわれますが、Fire HD 8はここしばらくはこれら2機種とは1年ずらして新世代機が発売されています。
Fireタブレットの世代番号は[Fire 7、Fire HD 10]側とFire HD 8側の代わりばんこの更新、両方をカウントしているのです。
Fire7 | FireHD8 | FireHD10 | |
---|---|---|---|
第5世代 | 2015年 | 2015年 | 2015年 |
第6世代 | – | 2016年 | – | 第7世代 | 2017年 | 2017年 | 2017年 |
第8世代 | – | 2018年 | – | 第9世代 | 2019年 | – | 2019年 |
第10世代 | – | 2020年 | – | 第11世代 | – | – | 2021年 |
ザックリまとめると上の一覧のようになります。
2020年、Fire HD 8にしか新製品が出ていませんが、世代数はそこでキッチリカウントアップされていて、2021年に登場したFire HD 10は第11世代機にカウントされています。
Fire 7、Fire HD 10に第10世代機はありませんし、Fire HD 8には第11世代機が出ない可能性が高い、と言うことになります。
手元の製品の発売年次と上記のような「世代管理一覧表」みたいなデータがないと、製品のバージョン・世代がちょっと分りにくい状況になってしまっています。
他社製品ではありますが、マイクロソフトがSurface Proシリーズで一度製品名から外した世代番号を復活させたのも一理ある気がしますね..。
また、Fire HD 8の発売タイミングが1年ズレているため、製品間のヒエラルキーとの兼ね合いから製品のアップグレード内容が制約を受けるカタチになってしまっているのは勿体ない気がします。
ただ、タブレット端末やスマートフォンで使われるSoCの性能向上ペースもかなり落ち着いてきて、1年程度では倍々ゲームのような劇的な性能のギャップは生まれなくなりました。
このあとは製品展開上の矛盾・下剋上は生じにくくなっていくと思います。
その代わり新機種が出ても大幅な性能・機能アップが期待しにくくなって、販売元であるAmazonには難しい舵取りが要求されるようになる訳ですが。
Fire HD 10
まずはAmazonタブレットでは最上位機種となるFire HD 10です。
先日新型機が発売されたばかりですが最新モデルは第11世代のモデルになります。
10型の高解像度液晶を備えたモデルで、心臓部であるチップのSoCの性能的にもFireタブレット最強のパワーを持つ機種です。ただし、最新のハイエンドスマートフォンなどと比較すると処理性能は控えめです。
Amazonのタブレットの中では唯一フルHD解像度をカバー可能な製品になっています。
前世代機からの強化ポイントはメインメモリの増量と本体重量の軽量化です。また、派生モデルとしてさらにメモリ容量を増やしワイヤレス給電機能を搭載したFire HD 10 Plusも追加されています。
Fire HD 8
Fireタブレットシリーズの中では中位クラスの製品です。8型で1,280 x 800ドットの解像度を持つ液晶を採用しています。動画などのHD解像度、1,280 x 720ドットを満たせる画面を持つことから製品名に「HD」が入っているのでしょう。
性能面ではCPU、メインメモリ、ストレージともFire HD 10とは差別化が行なわれています。この点での上限をFire HD 10に「抑えられる」カタチになっているため、1年タイミングがズレる発売タイミングで最も製品のポジショニングが難しくなっている機種かもしれません。
次の世代更新は来年だと思われます。
Fire 7
Amazonのタブレット製品ではローエンドとなるシリーズです。
7型で1,024 x 600ドットの解像度を持つ液晶を搭載。CPU、メインメモリなどのスペックを一番控えた機種です。その分、非常にお手頃な価格を実現しているところが大きな特徴&魅力となる機種です。
解像度も小さい分、特別に高い処理能力は不要になりやすいため、スペックを抑えても使い勝手に響きにくくなります。
こちらのラインは今年新製品が投入される可能性が高いです。
2021年に新型が出そうな機種
本当はこの節の筆頭に第11世代のFire HD 10を書くつもりでした。が、実製品の発売のほうが先になってしまいました。
新Fire HD 10はとても順当な中身のアップグレードになっていますが、ハイエンドスマホなどの性能のインフレっぷりを見ると控えめなスペックアップとも言えるかもしれません。
Fire HD 10の新世代機が出てしまいましたので、今年このあとリリースが予想される新機種はFire 7となりそうです。こちらはFire HD 8シリーズが昨年アップグレード済みですので、比較的スペックアップの余地があります。
CPUは据え置きでメインメモリを2GBに増量した機種が出るかもしれません。1GBから2GBへの増量だと、CPU部の性能を引き上げるよりも使い勝手に差が出る可能性が高いです。
Fire 7は液晶パネルのHD対応化(1,280 x 800ドット以上)にも期待したいですが、こちらはFire HD 8のスペックとの兼ね合いで難しいかもしれません。
2021年春時点の狙い目機種
一般にデジタルガジェットすべてに言えることだと思いますが、この手の製品の買い時は発売直後かモデル寿命の末期です。
値引き等がなく価格が高いうちでも製品スペックなどの優位性がある発売直後か、スペックが見劣りするようになっても割引きを期待できて結果的にコスパが良好になるモデル末期のいずれか、と言うことですね。
Amazonのタブレット端末の場合、モデルチェンジ直前まで価格が下がることはほぼありません。また、新製品も発売当初からコスパが抜群に高いものが多いので、新製品への世代変更直後の購入が一番お買い得と言えるかもしれません。
そういう観点ではこの記事執筆時点で最も狙い目と言えるのは新Fire HD 10でしょう。ワイヤレス給電にウェイトを置くユーザーならばFire HD 10 Plus一択、となりますね。
ちなみにですが、USB Type-Cコネクタは最初から給電用ポートとしても使われることを織り込んで規格化されていたと思います。ですので、USBのType-A型コネクタなどとは異なり多数回の挿抜が行なわれること前提の設計になっています。
よほど雑に扱わない限り、ケーブル抜き差しによる不具合発生にはあまり気を使わなくて大丈夫です。
まとめ
ここ5年以上はAmazonのFireタブレットはそれぞれ2年サイクルのアップグレードタイミングをしっかり守って新世代機が登場しています。すごく更新タイミングが読みやすくなっていますので、新機種狙いのユーザーはそこをしっかり読んで準備をしておきましょう。
ただ、Fireタブレットシリーズでは性能競争をしていない、といいますか、ハイエンド性能を追い求めた機種を元々作成していません。加えてタブレット端末で使われるSoCの性能アップの割合もかなり大人しくなってきました。
ハイエンドスマホなどとは異なり発売期間中のいつ購入しても、比較的「ハズレ」を引きにくい製品達だと思います。「必要になったとき」「欲しくなったとき」が一番の買い時、でもOKかもしれませんね。